ふるよに特殊ルール大会の開き方

みなさまこんにちは。

E*LNO(えるの)と申します。

 

今回は、へくとぱ氏主催のふるよに Advent Calendar 2021 - Adventarに初めて参加させていただきました!

 

はじめに

普段、私は埼玉県でふるよにのイベントを主催しております。

プレイヤーとしてもふるよにを楽しんでいますが、プレイングや構築などの面でみなさまにお伝えできるような知見をほとんど持ち合わせていないため、主催としての知見をお届けしようと思い、アドカレ参加を表明しました。

 

とはいえ、イベントの主催に関する知見は既に下記の記事で紹介されていますので、改めて私からお伝えできることもなかなか無さそうです。

(※とはいえ一応主催を2年続けていますので、何か聞きたいことがあればTwitterのDM(@e_lno)などでお気軽にどうぞ!)

イベントの開き方|かよーだ|note

桜降る代に決闘を ゲーム外メモ|逸般人|note

では何を書くんですか、となるわけですが、一番私らしく皆様にお届けできるものがありました。

 

はい、「特殊ルール大会の開き方」です!

 

もはや”さいたまふるよにアナザー=やばい大会”と言われたり、私の名前がドラフトとともに一部に伝わっているような惨状ですが、もはや何も否定できないほどに特殊ルールによる大会を開催してきました。

本記事では、私がこれまでに開催した大会の実例も踏まえながら、実際に特殊ルールの大会を開くにはどのようなことをすればいいのかについてお伝えしたいと思います!

 

方法1.既存のルールを採用する

この方法はシンプルかつオススメです。

店頭で購入できる祭札二〇一九幕間:風花青天といった製品には、大乱闘縁ドラフト連携戦といったカードやルールが封入されていますし、公式サイトの追加コンテンツからはTRPG成長戦などのコンテンツがダウンロードできます。

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公式がこのようなカジュアルプレイ向けのルールを多く展開しているためネタに困ることもなく、また一幕や二幕の頃には、優勝賞品の出る特殊ルール大会を公式が開催していたようです。新幕でも、全国大会「天音杯」のサイドイベントで大乱闘大会が行われていたような気がします。
(一幕、二幕の頃の大会の様子は公式ブログにレポート記事があるので、興味がある方は読んでみてはいかがでしょうか?)

遊んで楽しいルールがたくさんあるので是非一度は遊んでみてほしいと思いますし、この方法なら準備や申請方法(※)も楽チンです!

※公式ホームページの大会申請フォーム一番下に、「BakaFire Partyへの連絡(賞品の枚数や大会ルールについての連絡など)(任意)」という項目があるので、「連携戦の大会です。」とでも記入すればOKです。

私の実績としては、以下の2大会があります。

・「連携戦」を採用した起源戦/通常選択による大会

さいたまふるよにアナザー第26回大会(午後の部) - TwiPla

大乱闘カード「熊介の呪い」を採用した完全戦/三拾一捨による大会

さいたまふるよにアナザー第29回大会(夕方の部) - TwiPla

どちらも、1つの特殊ルールをそのまま採用しているだけですが、普通のゲームとは異なる新しい体験が生まれます

 

 

方法2.既存のルールをアレンジする

でもせっかく自分でイベントを開くなら、なにかオリジナリティが欲しいな・・・。そう思ったならば、公式の特殊ルールを少しアレンジしてみるのはどうでしょう?

アレンジの仕方としては、ランダム性を強くすると面白くなりやすい傾向があります。ランダム要素と言えば、ダイスの出目や、カードのシャッフルがありますね。

また、厳密には特殊ルールではありませんが、季節戦や起源戦といった使用できるメガミに制限のあるルールを活用するのも良い手です。使用できるメガミを変えるだけで、環境の様子はガラリと変わります。

私はこの手法をとることが多く、たくさんのアレンジ版ルールを採用してきました。

・二幕祭札に封入されているめがみ大発生をアレンジしたルール

⇒8人大会で4卓分カードセットを用意することは難しいので、全卓に同じ効果を適用する(大会進行の円滑化、負担の軽減は大事です)。大発生カードをめくるタイミングは、6面ダイスを振った出目分の時間(分)が経過するごとであるダイスを使用したランダム性)。

さいたまふるよにアナザー第14回大会(大発生の部) - TwiPla

さいたまふるよにアナザー第27回大会(夕方の部) - TwiPla

・各対戦回ごとにランダムな大乱闘カードを適用するルール(カードシャッフルによるランダム性

さいたまふるよにアナザー第4回大会(大乱闘の部) - TwiPla

オリジン版メガミのみが使用可能なルール(起源戦、季節戦が無かった頃です)

さいたまふるよにアナザー第3回大会 - TwiPla

・季節ごとに選ばれた7柱のオリジン版メガミから使用できる季節戦をアレンジ(?)したルール、裏・季節戦

季節戦で使用できるメガミのアナザー版メガミのみが使用可能、アナザーが未登場のメガミは同じ拡張のもう1柱のメガミとするルール。

交流祭併催大会:さいたまの部 - TwiPla

さいたまふるよにアナザー第17回大会 - TwiPla

・小説「桜降る代の神語り」単行本の発売を勝手に記念して企画した、「桜降る代の神語り」、「八葉鏡の徒桜」で活躍するメガミのみが使用可能となるルール

⇒こちらありがたいことに、小説を執筆されている五十嵐月夜先生に認知いただけておりました。

さいたまふるよにアナザー第6回大会(神語りの部) - TwiPla

さいたまふるよにアナザー第6回大会(徒桜の部) - TwiPla

さいたまふるよにアナザー第8回大会(神語りの部) - TwiPla

さいたまふるよにアナザー第8回大会(徒桜の部) - TwiPla

大幅にルールをアレンジする場合は、特に大会の申請時にその旨をしっかりと記載するようにしましょう。

 

 

方法3.他の人のアイデアを参考にする

なんでも自分一人で解決することは、何事においても難しいです。そんな時は、我慢せずに人の助けを借りるのはいかがでしょう?世に公開されている特殊ルールを参考にしたり、自分のアイデアを他の人に相談してみたり・・・。

ただし、他人のアイデアを借りたり参考にする際にあたかも自分のアイデアのように語るのは言語道断です。

一番良いのは、その人に直接連絡を取ることです。それが難しい場合でも、参考元として必ず記載しましょう。

私も、これまでにたくさんの方に助けていただきました。

眼前構築時間が0秒なので、必ずランダムデッキになる

⇒夕張さんからアイデアを提供いただきました

本来は「刀薙が強いから、簡易神話大戦にしてどこで刀薙を選出するかの読み合いが面白そう。」という前提でルールを提案頂いたのですが、その部分を全く聞いていなかったため簡易神話大戦と三拾一捨による大会、両方で開催してしまいました。

さいたまふるよにアナザー第5回大会(昼の部) - TwiPla

さいたまふるよにアナザー第5回大会(夜の部) - TwiPla

さいたまふるよにアナザー第18回大会(午前の部:簡易神話大戦) - TwiPla

さいたまふるよにアナザー第18回大会(午後の部:三拾一捨) - TwiPla

ロチェスタードラフト

⇒フォーマットはかよーださんとたらみさんが考案・調整されたものであり、かよーださんより使用許可を頂きました。また、アグレッシブなカードパワーの調整などはchioさんのドラフトを参考にさせていただきました。また、偽証に関する特殊ルールはぺんたさんのアイデアを参考にさせていただきました。そして、全体的なカードプールのバランス調整、そしてカードそのものはテストプレイヤーの方々にたくさん協力いただいております。本当に感謝です!

さいたまふるよにアナザー第22回大会(午前の部) - TwiPla

さいたまふるよにアナザー第22回大会(午後の部) - TwiPla

さいたまふるよにアナザー第26回大会(午前の部) - TwiPla

キュートクールパッション属性に分類されたメガミを、各属性から1柱ずつ選出する三拾一捨による大会(通称、ニュージェネレーション大会)

⇒ますたーさんのアイデアで大会の開催許可を頂きました。

さいたまふるよにアナザー第25回大会(午後の部) - TwiPla

こうして見ると、本当にいろいろな人にお世話になっていますね!あ、どうしよう涙出てきた。こうしていろいろな方と知り合い、一緒にイベントを作り上げることができるのも、主催としてのメリットだと思います

私もルールの相談に乗ることはできますし、私が過去に公開した特殊ルールは特に断りなく使用していただいて構いません(本当に使いたいなら)。ただし、盗作は本気で怒ります。

 

 

方法4.オリジナルルールを考案する

さて。これが一番楽しく、そして一番大変です。

この方法については説明することもなかなか難しいのですが、とにかくいろいろ考えてみることはまず必要だと思います。実際に私が大会として実現しある程度以上の成功を感じた特殊ルールはこの記事でも紹介している10個ほどですが、一方で大会でまだ実現していないストックネタ(没案も含む)は30を超えていました。とはいえみなさんもふるよにを遊ぶ中で「これができたらいいのに…。」というような発想に至ることは少なからずあると思っているので、まずはそれをメモに取ったり、もっと膨らませてみたりしてはいかがでしょう?

オリジナルルールを考案するとはいっても、そもそもふるよににはルールが存在するので、ヒントとなるパーツはたくさん散りばめられています。例えば、サリヤのTransFormカードに注目した私は、「サリヤがいない組み合わせでTransFormしたら絶対悪さしかしないよなぁw」などと妄想しました。そうして生まれたルールがこちら。

・完全戦/簡易神話大戦で、メガミ6柱+TransFormカード3枚を選出する。各対戦で、メガミ2柱にTransFormカード1枚を適用して桜花決闘を行う。

交流祭併催大会:さいたまの部 - TwiPla

「もじゅるー」や「紫幕」により虚空から湧いて出る基本動作によりSigma-Drive: 1,5 3/2が飛び交い、ゲーム開始時からBeta-Edgeを備えるサリヤが爆走する世界が誕生しました。

こんな理不尽極まりないルールでも、全員が共通の立場なのでゲームとして成り立ってしまうのです。

また、お正月といえば御神籤、といった発想から先ほど紹介した眼前構築0秒大会は新年1発目に開かれる恒例行事となったのですが、お正月と言えばみなさまこんなカードをご存じでしょうか?

公式からジョークカードというとても楽しいお遊びが提供されているにもかかわらず、誰もこのカードを使ったイベントを企画していないのが不思議で仕方ないのですが、とってもお正月にピッタリのカードなので、私は眼前構築0秒大会のカードプールとして採用しました

このように、複数のルールを組み合わせて化学反応を起こすというアプローチも、新しいゲーム体験を生むことができるのでおすすめの手法です。

 

そして、ジョークカードは2枚目が作られました。それがこちら。

そして夏らしいイベントの企画に困っていた私は、すぐさまルールを練り上げて実行に移しました。

さいたまふるよにアナザー第9回大会 - TwiPla

さいたまふるよにアナザー第20回大会 - TwiPla

さいたまふるよにアナザー第23回大会 - TwiPla

大会のページをご覧になればわかると思いますが、2回目以降の大爆砕デカメロン大会は、超融合します

ここでも、複数のルールを合体する方法を使っています。方法2として既存ルールのアレンジをご紹介しましたが、ある意味ルールの複合もこのアレンジの方法の一つと言えるでしょう。

ちなみに超融合に至った経緯として、大乱闘カード「超融合装置:枢式」による大会が没になったことが関係しています。このルールが公開された瞬間に大会を開催する気満々だったのですが、あっという間に「奏流し」+「旋回起」(通称、奏回起)によるコンボデッキが開発され、泣く泣く開催を見送っていましたが、大爆砕デカメロン大会のバージョンアップを検討している中で唐突に閃いてしまったため、デカメロンを超融合することになりました。

ちなみに、大爆砕デカメロン大会を開くにあたり、総合ルールを一通り読みなおし公式FAQで「大爆砕デカメロン」についての質問を全て確認しました。また、超融合ルール実装の際には、大爆砕デカメロンと超融合した結果何が起こるかを確認するため、あらかじめすべてのカードに目を通しました。(当初は、通常札との超融合も検討していました)

特殊ルールを考える際は、通常のルールではありえない挙動までも発生しうるためにルールの細かい確認が必要となるのですが、私はこれのおかげで総合ルールを把握し、かつ普段あまり使あないメガミのカードでもある程度把握できるようになりました。私としては、結構大きなメリットだと思っています。

 

 

大枠での手法の紹介としては以上ですが、追加で一つアドバイスを。

環境が壊れるのを恐れて控えめな内容にするよりも、ド派手に環境が壊れかねない内容のイベントの方が、結果的に成功しやすいです。

私の失敗例をご紹介します。

・三拾一捨による大会(最低1柱はアナザー版メガミを選択すること)

さいたまふるよにアナザー第2回大会(三拾一捨の部) - TwiPla

開催日は2019年10月27日。第参拡張が発売し、環境的にはユリナAオボロAが活躍していた時期でしょうか。もうお分かりいただけるかと思いますが、この特殊ルールはほぼ意味をなしていません。

恥ずかしながらはじめて企画した特殊ルールによる大会で、この時はどのくらいまでルールに制限を掛ければ良いか、感覚が全く分かりませんでした。その結果、失敗を必要以上に恐れてとてもゆる~い制約をルールとして適用し、結果面白さのカケラもないイベントを企画するという失敗に至った事例です。

結果として通常のレギュレーションと差があまり無いのであれば、それは通常のレギュレーションで実施する方が良い場合が多くなりますし、参加者の記憶にも残りづらいです。一方で、思い切った内容にすると、参加者の印象に残りやすく、さらにそれが楽しい体験を伴うならば、「また参加したい」という気持ちにもつながり、主催としてもそれは喜ばしい結果となります。

もし、「流石にやり過ぎ」だと気づくことができればそれは事前に調整ができます。また、本当に大丈夫か不安であれば誰かに相談したり、大会ではなくお気楽交流祭としてイベントを開催し、その中で体験卓として企画を遊んでもらうことも一つの手です。そこでのフィードバックをもとに調整を施せば、大会として企画できるかもしれませんよ。

 

 

ここまで読んでいただき、ありがとうございました。

原稿に取りかかる時間をあまり確保できずまとまりの悪い出来になってしまっていますが、私がお伝えしたいポイントは全て詰め込んだつもりです!

是非みなさん、通常のふるよにだけでなく、特殊ルールのふるよにも楽しんで頂けたらと思います!

 

 

最後に一つだけ宣伝をさせてください。

2022年01月16日(日)に埼玉で、もはや毎年の恒例行事となった眼前構築0秒大会を開催します!

twipla.jp

諸般の事情により詳細をまだお話しできないのですが、今回はほんとうに"""激ヤバ"""な内容となっています。

さいたまふるよに会としてはじめての16人大会でもあるので、是非みなさんに参加してほしいです!

 

 

 

この記事を読んでいただいたあなたに、とっておきの情報を公開しますね?

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全てのプレイヤーは「天音流羽根落」1枚を4枚目の切札として加えます。

は、嘘でした!!!!!

 

 

 

「つまらないカードじゃなくなって、むしろよかったんじゃないですか?」

 

 

 

 

「■■■■■■■」 消費2 攻撃

3-7、3/■

【攻撃後】■■■■■■■■■■■■■■■■ならば、■■■■■■■■■■■■■■■■■■、御神籤を引く。

 

 

 

 

 

桜花決闘

制限時間は35分無制限です。

 

 

当記事はふるよにコモンズ(BakaFire, TOKIAME)の画像を使用しています。