■■■4年12月14日
我々はある理論を基にした伝承の具現化を試みるため、ある実験を行うことにした。
本来であれば、伝承上の人物の姿を明確に持つはずである七振りの剣を、人々の想像が働かないよう慎重に、2名のソーディアへと手渡す。
これらの剣の状態は、いずれも100の可能性が全て重なり合った状態で存在し、それをソーディアが観測することによりはじめて、事象が収縮して結果が定まるという状態である。
騎士の剣、魔女の炎、従えるべき魔獣。なにか明確なイメージを持ち振るうことではじめて双方のソーディアに観測され、1振りの剣へと収束する。
あるいは、振るわずとも、その剣身が顕わになることで、意図せず事象の収縮が発生することさえあると考えられる。
一度結果が定まれば、他の剣はもはやその可能性を持つことは無くなる。
先日行われた実験の中では、布石を打つことで、その剣が紫色の淡い光を帯びる事象も観測されたそうだ。
本実験「Quantum Blade Rondo」による安全性は一切保証されていないが、数多の敵を打ち倒すことを使命とするソーディアであれば、何ら問題はないであろう。
―――――手記に記されているのはここまでのようだ。